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陰陽座



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組曲「義經」~夢魔炎上

作詞:瞬火
作曲:瞬火

剝き出しの骨を
爪で つと搔き裂く
虛ろなる病みの
睡り醒ます樣に
抑えられない
欺瞞の棘が
此の身を刺す
謀を 張り巡らして

世に仇なすのが惡
其れを誅するが正義
有事には再び
その天地が返り
畢竟、私は今、惡か
何かを果たし乍ら
誰かに疏まれ
叫びは返す返す
明かりを 探し求めて
望みは漂うだけ
凍える
哭が今消えゆく
風に千切れて

無明の睡りに
疲れ 迷い 誰そ彼る
失意の韜晦
冥き星を數えて
盞に浮かぶ花弁
深い闇に搖蕩う
胸に宿る火の鳥は
何時の日か雁になる

柘榴になり果てる
己の頭に
群がる埋葬蟲は
兄の面をしている
殺めた數だけ
愛を手に入れると

無間の奈落も
一躍に跳べると

髑髏に口付ける
虛榮の猿は
そ知らぬ素振りで
誰が為に唄う
殺めた數だけ
穢に塗れていると

無間の奈落に
真逆に吞まれると

嗚呼徒に
一縷の陽を求めても
嗚呼一向に
異鄉の地に
轉びて落ちる

渾ては渾ては
一族の名を賭して
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渾ては渾ては
亡き御父君の誇りを賭して
犯した不文律も
罪科も
殺めた命さえも

あなたと新しい時代の
理想鄉の為だというのに

もうよい、默れ
詭弁を弄すな
政れぬ虎よ
我は今、
汝という夢魔を
燃やす

振り仰いだ
鈍色の空に
刻が夜を連れてくる

激よと交わす言葉も
明る色を失ってゆく
もう逃れられぬなら
此處で果てるとも
只其れで此以上
離れないのなら
抱き寄せて
抱き締めて
抱き留めて もう一度
束の間の別離でも
曇らさぬ樣に
愛されぬ相舞えぬ
相生えぬ もう二度と
惑う夢の中に彷徨う
聲にならぬ嗚咽を
白い雪が嗤う

拔け拔けと舞いおって
命乞いのつもりか
されど子は別じゃ
後の憂いとなろう
殺してしまえ

何故このような
慘い仕打ちを

己が命を取られた方が
增しで御座います
ああこの子だけは
あの人に抱いて欲しかった
お許し下さい
もう逢えませぬ

望みは漂うだけ
傲れる
嶺が今 移ろうまで
其處に降る雨は
躊躇うだけ 凍える
哭が今消えゆく
風に千切れて