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遠藤賢司



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遠藤賢司

恋の歌

Lyricist:遠藤賢司
Composer:遠藤賢司

あの女(ヒト)がさっきビール片手にこう言ったよ
あなたのラブソングはあまりにもロマンチック過ぎるわって
キットあの女(ヒト)は僕にこう言いたかったんだろう
あなたの老けた顔にはもう恋の歌は似合わないと

僕は今地下鉄の最終電車の吊革にゆられながら
窓ガラスに写る自分の顔を何げなさそうに見てる
そうだね‥あの女(ヒト)の言ってることも あたってるかもしれない‥ネ‥
そうだね僕は年をとったよ‥ホラこんなにも老けた‥デモネ‥

この宇宙は一粒の凹と一粒の凸の恋の歌で始まったのだ
そう引力と融合と分裂と増殖と破潰(ハカイ)と再生
それはこの宇宙の永久(トワ)の原理なのだ
そしてその恋の歌そう音楽から
この宇宙の凡(アラ)ゆる事象は産まれたのだ
やがて芸術は宗教は科学はスポーツは戦争はなどなど そう地球は
私という人間もだ

そしてこのたったの現在(イマ)も 137億年前の宇宙誕生の瞬間(トキ)
ほらごらん ひとりぼっちの凹と凸
そうひとりぼっちの女と男が恋をしたよ
「ぼ…僕は君を好きなんだよ」「私もよ」って‥ほらキスをした‥
そして喜びも哀しみも その恋の歌は そう音楽は
凡ゆる創造の起源なのだ

だから僕は出来うる限りこれからも このたったの現在の
それさえ歌えたら本望なんだ 他はいらぬ説教だと恋の歌を歌う
だって人は皆な這いずり回って このたったの現在を必死に闘ってるんだ
ただただ自分の為に自分めがけて自分を歌うんだ
それが赤の他人 人間に伝わるか そこだけが勝負だ

それにどんなに大音量のハードロックだってクラシックだって
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そう凡ゆる音楽はラブソングなのだ
凡ゆる創造は心の繋がりを求め彷徨う 寂しがりやのラブソングなんだ
そして何よりどんなにコッピドクふられたって
コンナニモ酷いことがあったって
人は皆な微かな希望を求めて歌うよ 誰より好きな自分へのラブソング

「ところで君の好きなその音楽家って
近頃いったいどうしてしまったんだろうね
少しもこのたったの現在の自分を歌ってないよ」
嫉妬まぎれにあの女(ヒト)に‥そう‥言ってやりたかったが
そんな彼は時に音楽を見失った俺だと‥辞めた

たとえあの女(ひと)がお婆あちゃんになったって 優しい旦那がいようと
誰かに心をトキメカス それは生きてる証だ
もしかしたら胸の奥にほんのちょっぴり 別れた男(ヒト)への恋の歌
も少し優しくしてあげればよかったわって‥
「大丈夫君は優しかったよ‥今でもね」‥

そんな訳で僕はそっとかつ真剣に勝手に片想いをしては
そうこの宇宙の始原は創造の起源は「恋の歌」を歌って行くよ
だから例え友人の奥様や娘さんや彼女や
街で見かけた女(ヒト)や タダの飲み友達だろうと
‥ヨロシカッタラ‥美しい女(ヒト)は御用心なんてね‥
男ってそんなもんさ‥

そう僕が今以上に皺だらけのがんこ爺いになったって
心の優しい女(ヒト)が好き‥そう‥僕は死んでも男だから
僕が一番歌いたい歌それはロマンチックなラブソング
いいえ‥この胸に甘く切ない‥恋の歌‥

それはもしかしたら‥そうあの女(ヒト)への‥そう君への恋の歌‥
「ぼっ‥僕は‥今でも君を‥好きなんだよ」